義肢装具とは

義肢(prosthesis)

切断により四肢の一部を欠損した場合に、元の手足の形態又は機能を復元するために装着使用する人工の手足(JIS用語)。

義手(upper extremity prosthesis)上肢の切断に用いる義肢(JIS 用語)。
義足(lower extremity prosthesis)下肢の切断に用いる義肢(JIS 用語)。

構造による分類

①殻構造(外骨格)義肢 (exoskeletal prosthesis)
甲殻類の肢体構造と同様に義肢へ働く外力を殻で負担。同時に、外形が手足の外観を整える構造の義肢(JIS用語)。

②骨格構造(内骨格)義肢(endoskeletal prosthesis)
手足の構造と同様に義肢の中心軸にあるパイプ、支柱などで外力を負担。プラスチックフォームなど軟材料の成形品を被せて外観を整える構造の義肢(JIS用語)。

装着時期による分類

①訓練用仮義肢 (temporary prosthesis)
装着して動作を行うために、アライメントを検討しうる力の伝達部材と訓練用仮ソケットを組み合わせた義肢(JIS用語)。

②本義肢 (permanent prosthesis)
ソケット、力の伝達系、外装など義肢のすべての部分が長期間の使用に耐えるように製作した義肢 (JIS用語)。

詳細 → 義肢の構成要素

装具 (orthosis)

四肢・体幹の機能障害軽減を目的として使用する補助機具(JIS用語)。

体系別装具の分類

①医療用装具
医学的治療が完了する前に使用する装具。または純粋に治療手段の一つとして使用する装具(JIS用語)。

②医療用仮装具
簡単な材料を用いて短時間で作ることのできる医療用装具(JIS用語)。

③更生用装具
医学的治療が終わり変形または機能障害が固定した後、日常生活動作など向上のために使用する装具(JIS用語)。

機能による分類

静的(静止的)装具 (static orthosis)
動的(機能的)装具 (dynamic orthosis)

①固定用装具
一定の肢位に身体の一部を固定するために使用する装具 (JIS用語)。

②支持装具
一定の肢位を維持するために使用する装具。固定用装具と同様に使用することもある (JIS用語)。

③矯正用装具
変形を矯正するために使用する装具(JIS用語)。

④免荷装具
下肢にかかる体重を減少させるために使用する装具(JIS用語)。

⑤歩行用装具
歩行の際に使用する装具(JIS 用語)。

⑥立位保持用装具
起立のために使用する装具。移動が可能なものもある(JIS用語)。

⑦夜間装具
変形の予防や矯正のために夜間就寝時またはベッドでの安静時に使用する装具(JIS用語)。

⑧牽引装具
牽引を目的に使用する装具(JIS 用語)。

詳細 → 装具の大分類

JIS用語
日本産業規格(JIS=Japanese Industrial Standardsの略)。日本の産業製品に関する規格や測定法などが定められた日本の国家規格のこと。